大判例

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水戸家庭裁判所 事件番号不詳 判決

本籍 茨城県日立市宮田町七百十番地

住居 同県同市旭町三丁目三番地

芸妓置屋営業 かね子こと小林カネ子 大正十四年三月五日生

主文

被告人を懲役参月に処する。

但し本裁判確定の日から弐年間右刑の執行を猶予する。

右執行猶予期間中被告人を保護観察に付する。

理由

(事実)

被告人は肩書住居において「高野家」という屋号をもつて芸妓置屋を営んでいるものであるところ、茨城県高萩市大字秋山二千四百二十一番地○○ウメの依頼を受けて昭和二十九年八月二十二日頃から、同人の娘D子を芸妓見習として雇い入れ歌や踊りなどを習わせていたが、同女は昭和十六年三月十日生れで当時まだ満十五才に満たないものであつたのに、その事実を知りながら昭和三十年十二月二十七日頃から昭和三十一年一月十日頃までの間十二回位にわたり、同女を日立市内の「一直」その他六箇所位の料理店などの宴会に出して半玉として酒客の接待などをさせ、もつて業務として児童である同女に酒席に侍する行為をさせたものである。

(証拠)

右判示事実は

一、D子の

(1)  検事橋詰利男に対する供述調書

(2)  検事酒井亨に対する供述調書

二、茨城県○○郡○○村々長山○清○郎の作成にかかるD子の戸籍抄本

三、うめこと○○ウメの司法警察員須田行雄に対する供述調書

四、被告人の

(1)  当公廷における供述

(2)  検事橋詰利男に対する供述調書

などにより、これを認める。

(適用法令)

法律に照すに被告人の判示所為は児童福祉法第三十四条第一項第五号、第六十条第二号等の規定に該当するところ、被告人は本件の前示D子に本件と同様の行為をさせた児童福祉法違反の罪について昭和三十年十二月二十六日当裁判所の決定により罰金八千円の刑に処せられ、昭和三十一年一月十日に該判決が確定した前科(以上の事実は裁判上顕著な事実である)を有するので被之考量して本件については所定刑中の懲役刑を選択し、所定刑期の範囲内において被告人を懲役三月に処すべく、しかし諸般の情状にかんがみ刑の執行を猶予するのを相当と認めるので刑法第二十五条第一項の規定に則り本裁判確定の日から二年間前記刑の執行を猶予すべく、なお被告人に対しては保護観察による指導監督を加えて、その自覚心を振起させるのを相当と認めるので刑法第二十五条の二第一項前段の規定に則り、前記執行猶予期間中被告人を保護観察に付すべきである。よつて刑事訴訟法第三百三十三条第一項及び第二項の規定により主文のように判決する。

(裁判官 花岡学)

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